🛡️ Life Guardian Sleep Guardian 運用マニュアル

Sleep Guardian 院内用運用マニュアル

睡眠・活動データの収集から診察活用までの手順ガイド

精神科・心療内科スタッフ向け
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サービスの概要

本システムは、患者様のApple Watchで自動記録された睡眠データ・活動量を、クラウド経由でクリニックの管理画面に集約するサービスです。

主な機能

重要

本システムは医療機器ではありません。「診断」を行うものではなく、あくまで「客観的な生活データの記録・共有」を行うツールとして患者様に説明してください。

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導入フロー(初診・登録時)

患者様への導入は、以下の3ステップで行います。所要時間は約3〜5分です。

STEP 1: 管理画面での患者登録

  1. 院内PCで管理画面(Dashboard)を開きます
  2. 「新規患者登録」をクリックし、氏名・カルテ番号を入力します
  3. 「モニタリングコース」 を選択します

モニタリングコースの種類

😔 うつ病コース

睡眠・活動量・気分の変化を重点監視

ボタン:気分が沈む、やる気が出ない、眠れない

🌙 不眠症コース

睡眠時間・入眠・中途覚醒を詳細記録

ボタン:寝つけない、途中で起きた、早朝覚醒

🔄 双極性障害コース

睡眠時間の急変と活動量の変化を監視

ボタン:眠れなくても平気、考えが止まらない、イライラ

😰 不安障害コース

心拍変動・活動パターンの変化を追跡

ボタン:不安、動悸、落ち着かない

STEP 2: 連携シートの印刷と説明

  1. 登録完了後、「連携用QRコード」をプリント
  2. 患者様にスタートガイドと一緒に手渡し

STEP 3: 患者様への声がけ例

睡眠の状態を客観的に見たいので、Apple Watchで記録をお願いできますか?毎日つけていただくだけで、睡眠時間や活動量が自動で記録されます。手書きの睡眠日誌より簡単ですよ。

対象患者の選定基準

✅ 導入をお勧めする患者様

⚠️ 導入が難しいケース

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診察時の活用方法

データの確認ポイント

診察前に管理画面を開き、以下の項目をチェックします。

チェック項目 正常範囲の目安 注意すべき変化
平均睡眠時間 6〜8時間 5時間以下、または急な増減
就寝時刻 22:00〜24:00 2時間以上の後退(昼夜逆転傾向)
中途覚醒 1回以下 3回以上/夜
日中活動量 3000〜8000歩 先週比30%以上の減少
症状ボタン 週数回以下 毎日押されている場合は要確認

患者様へのフィードバック例

データを見ると、先週から睡眠時間が5時間を切る日が増えていますね。何か思い当たることはありますか?
就寝時刻が2時、3時になっている日がありますね。昼間に眠くなりませんか?
歩数を見ると、先週は毎日5000歩くらい歩けていますね。調子が良さそうですが、ご自身でも実感ありますか?
「気分が沈む」ボタンが3日連続で押されていますが、その時どんな状況でしたか?
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データの読み方(臨床的解釈)

うつ病の経過観察

以下のパターンは状態悪化の予兆として注意が必要です:

双極性障害の躁転予兆

以下のパターンは躁転の前兆として注意が必要です:

不眠症の治療効果判定

睡眠薬の効果を以下の指標で客観的に評価:

注意

Apple Watchの睡眠データは「睡眠ポリグラフ検査(PSG)」と同等ではありません。あくまで傾向把握のための参考データとしてご活用ください。

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トラブルシューティング

よくある問い合わせと対応

問い合わせ内容 対応方法
「睡眠データが記録されない」 就寝中もApple Watchを装着しているか確認。睡眠フォーカスの設定を案内
「充電が持たない」 入浴時などに充電する習慣を提案。省電力モードの案内
「装着が気になって眠れない」 バンドの緩め調整を案内。無理な場合は日中の活動量のみ利用
「データが正確か不安」 傾向把握が目的であり、完璧な精度は求めていないことを説明

データが届かない場合のチェックリスト

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緊急時の対応について

⚠️ 重要:本システムは緊急通報・リアルタイム監視ではありません

患者様には以下を繰り返しお伝えください:

患者様への説明例

「このアプリで記録したデータは、次の診察で私が確認します。もし今すぐつらい気持ちが強くなったときは、アプリではなく、クリニックか相談窓口に電話してくださいね。」